Skylake CPU Core i5-6500のオーバークロック

最終更新

KなしCPUでのオーバークロック制限

注意
オーバークロックをすると、パーツ保証が効かなくなります。
無理なオーバークロックをすると、CPUやマザーボード等が故障する危険性があります。

PC環境

  • CPU: Intel Core i5-6500 (3.2GHz、TDP 65W、S-Spec SR2BX)
  • マザーボード: ASUS Z170 PRO GAMING
  • メモリ: Kingston HyperX FURY HX421C14FBK2/16 DDR4-2133 8GB×2
  • SSD: Crucial CT250MX200SSD4 (MX200、250GB、M.2 Type 2280SS)
  • HDD: HGST HDS721010KLA330 (Deskstar 7K1000 1TB)
  • グラフィックカード: ELSA GLADIAC GTS 250 1GB (GDDR3、DirectX10まで、最大消費電力 141W)
  • 電源ユニット: Antec NE650C (650W)
  • OS: Windows10 Home 64bit (Build 10586)

後々CPUを換装することもあるかと、マザーボードはOC対応のZ170にしましたが、現在のCPU Core i5-6500はOC向けではありません。
しかもCPUクーラーは(CPU付属の)リテール品のまま。(冷却性能は悪くはありませんが、フル回転させた場合、電源ユニットも併せて相当うるさくなります)

メモリはクロック数が標準通りのDDR4-2133。(一応OC耐性のある製品)
グラボは古いままです。

OC(オーバークロック)向けではないCore i5-6500で、OCしてみました。

Z170マザーボードでは、自動OC機能…TPU(TurboV Processing Unit)を使う方法と、手動でOC設定する方法とがあります。
手動の場合、ベースクロックは0.25刻み、倍率は1倍刻みでカスタマイズ可能です。

しかし、Kなし(製品名の末尾にKがつかない)CPUのOC制限により少ししか上げることができませんでした。(TPUと手動OCのどちらでも)

どのような制限かというと ――

※ CPU Core i5-6500の定格は100.00MHz×32(ターボブースト時33~36倍)。

  • 倍率は37以上を選択できない。

    ちなみに、BIOSで全コア36倍に設定しても、実際には全コアが36倍にはなったりはしない。全コアが同時に(ターボブースト時の)最高倍率になることはない、という縛りは生きている。

  • ベースクロックは102.50が上限。

    102.75以上にすると正常に起動できない。(BIOS設定更新→PC再起動後はディスプレイに信号が送られず、画面が真っ暗なままになる)
    → 復帰方法: 電源ボタン長押しでシャットダウン。電源ボタンを押し、F1キー

    を押してUEFI BIOS画面を表示させ、動作可能な設定にし直して保存。

末尾にKが付いている製品(SkylakeならCore i5-6600K i7-6700K )はそんな制限がなく、もっと自由にOCできます。

ところが、KなしCPUでもNon-K Overclocking BIOSを使えば、ベースクロックのOC制限をなくすことができると聞いて、これまた試してみました。(ただし倍率は変更できません)

Core i5-6500は4.5GHzへのOC成功例があるようです。

OC耐性は個体差があったりするし、CPUクーラーが空冷、しかもリテール品のため、無理しない程度にOCしてみました。
3.2GHz→約4.22GHz(132MHz×32)まで簡単にOCできました。それ以上は試しませんでした。(OC設定と安定性テスト・ベンチマークテストの繰り返しで疲れた……)

でも、これからCPUを買う予定でOCしたい方には、やはりK付きCPUをお勧めします。
Non-K Overclocking BIOSでのOCには、デメリットもあります。

Non-K Overclocking BIOSについて

2015年12月にマザーボードメーカー各社から、Z170チップセットのマザーボード向けにNon-K Overclocking BIOSが出されました。
このBIOSにすれば、BCLK(ベースクロック)を変更できます。(K付のCPUを使っている場合はこれを使わず、通常のBIOSを使用すること)

メーカーHPからの配布が中止されてしまいましたが、2016年5月現在、まだoverclocking.guideというサイトからダウンロード可能です。

ASUS、ASRock、MSI、GIGABYTEのZ170マザーボード用Non-K OC BIOS一覧
http://overclocking.guide/intel-skylake-non-k-overclocking-bios-list

Non-K Overclocking BIOS使用上の注意

Non-K Overclocking BIOSでOCでは次のような問題が報告されています。

  • Intel CPU内蔵グラフィック(IGPU)が正常に動作しない。(=グラボ必須)
  • Cステート(省電力機能)が使えない。
  • ターボブーストが使えない。(i7とi5は以外は、元々ターボブーストがないから関係なし)
  • CPU Frequencyが動的でない。(固定)
  • Intel AVXのパフォーマンスが非常に低下する。(ゲーム程度ではAVXは使われないので気にする必要なし)
  • CPUの「コア温度」を正確に測定できない。(「CPU温度」は一応測定可能)
  • Windows XPのACPI(Advanced Configuration and Power Interface)がサポートされない。
  • 高クロックメモリでも2600MHz位以下を推奨。

Z170用Non-K OC BIOSの作成日は2015年12月中旬~2016年1月中旬。それ以降に公開された(通常の)BIOSバージョンでの修正・追加機能・対応CPUの追加は適用されません。
Core i3-6098PとCore i5-6402P(およびそれ以降に出されるCPU)が正常に動作するかわかりません。

MSIの分だけ、2016年4月に更新されたものがあります。(バグ修正?)

OC前にNon-K OC BIOSでBIOS更新

KなしCPUのため、まずNon-K OC BIOSを入手してから適用。

Asus Z170 PRO GAMING用 Non-K OC BIOSのページ
http://overclocking.guide/download/asus-z170-pro-gaming-non-k-oc-bios

(注意)
Asus Z170 PRO GAMINGとASUS Z170I PRO GAMINGは、名前は似ていても違う製品です。前者はATXサイズ、後者はMini-ITXサイズです。

File Z170-PRO-GAMING-ASUS-1301.zipの表示の下にある、Downloadをクリックしてダウンロード。
ダウンロードした.zipを解凍して、Z170-PRO-GAMING-ASUS-1301.CAPを取り出し、USBメモリにコピー。
その.CAPファイルでBIOSを更新しました。

注意!
ASUS Z170 PRO GAMINGのBIOS 1805 (2016/05/25)に更新したら、それより古いバージョンのBIOS(Non-K OC BIOSも含めて)に戻せなくなりました。
Non-K OC BIOSを使いたい場合は、ver.1805に更新しないように。

UEFI BIOSでオーバークロック設定

UEFI BIOS画面から手動で設定。(といっても、メモリのXMPプロファイルを利用したので、完全にManualというわけではありません)

※ TPUでの自動OCでは、通常のBIOS使用時と同じように、ベースクロックが102.50までしかあがりませんでした。

とりあえず下記のように設定。Overclocking.Guideや他の人の例を参考にさせてもらいました。

OCで常用するなら、もっと電圧関係の設定を突き詰めた方がいいでしょう。
なお、電圧が高すぎるとパーツを破壊する可能性がありますから、くれぐれもご注意を。

DRAM Frequencyを上げれば、3Dのベンチマークテスト結果も良くなります。ただし、正常に動作するかどうかはメモリのOC耐性や設定に依ります。

Ai Tweaker

  • Ai Overclock Tuner: Auto→XMP
    XMP: XMP DDR4-2133
    ベースクロック: 100.00→132.00
  • ASUS Multicore Enhancement: Auto (→安定しなければDisabled)
  • CPU Core Ratio: Auto→Per Core (4GHzを超えると勝手にAutoから変更されたのでそのまま)

    • 1-Core Ratio Limit: Auto
    • 2-Core Ratio Limit: Auto
    • 3-Core Ratio Limit: Auto
    • 4-Core Ratio Limit: Auto
  • DRAM Frequency: DDR4-2287
  • OC Tuner: Keep Current Settings
  • EPU: 無効(Disabled)
  • CPU SVID サポート: Disabled
  • DRAM Timing Control (ここは触らなかった。Ai Overclock Tunerの項目でXMPを選択しているため、自動設定されている)
  • DIGI+VRM → CPU ロードライン キャリブレーション: Auto→Level5
  • CPU Core/Cache Voltage: Auto→Manual Mode
    CPUコア電圧: 1.315
  • DRAM Voltage: 1.200→1.215

CPUコア電圧は1.350Vに設定している人もいましたが、それより低めにしました。(ちなみに非OC時は1.150V前後で動作)

CPUロードラインキャリブレーション(LLC)の設定は人によっていろいろだったため、とりあえずLevel5に。電圧が上がりすぎず安定する所を探ってみた方がいいでしょう。4GHzまではAutoにしていました。安定するならAutoのままでも構わないかと。

LLCの設定によっては、CPUコア電圧をBIOSで数値指定してあっても、それより低かったり高かったりすることもあります。
LLCの設定を変えたら、CPUコア電圧がどう変化するか確認して、さらに調整。

Advanced

  • CPU Configuration / CPUの電源管理

    • Intel(R) SpeedStep(tm): Enabled → Disabled
    • Turbo Mode: Enabled (Disabledでもよい。いずれにしろターボブーストは効かない)
    • CPU C states: Enabled → Disabled
  • System Agent(SA) Configuration / Graphics Configuration

    • Primary Display: Auto または グラボを選択 (CPU Graphics以外を選ぶ)
    • 統合グラフィックを常に有効: Auto→無効

あとはファンの調整、必要ならツール→OCプロファイルを保存
最後に、Exit→Save Changes & Reset→(変更内容確認後)Okで、PCを再起動。

注意
再起動前に、内蔵GPU側に接続しているディスプレイケーブルがあれば取り外す。付けたままでは、グラボ側からも出力されませんでした。

負荷テスト(OCCT)は10分だけ実施、一応クリア。ベンチマークテストを合計1時間超、FEZ(Fantasy Earth Zero、オンラインゲーム)を数時間やりました。ファンの騒音以外は問題なし。

意外と、リテールCPUクーラーがよく冷やしてくれました。まだ肌寒い時期(3月上旬)で、室温が低かったのが幸いしたのか、60℃を超えることはありませんでした。
ただし、ファンを普段Turboモード、高負荷時にはフルスピードで回していたため、ヘッドフォン越しでもかなりうるさかったです。(ノイズキャンセリング機能なし)

※ OCするなら、冷却性能と静音性に優れたCPUクーラーを使いましょう。発熱対策は大事です。

騒音に耳が耐えられんということで、OCテスト後は普通のBIOSに戻し、OCしないで使っています。グラボとIGPUの同時利用によるマルチディスプレイにしたかったのもありますが。(先に述べたように、OCしてるとIGPUが使えません)

ベンチマークテスト結果

Core i5-6500 OC ベンチマークテスト結果

  • Speed Step無効、Cステート無効、ターボブースト→有効(Non-K BIOS+手動OC時のみ無効)に設定。これにより、ターボブースト有効時は倍率が33倍、無効時は32倍に固定されています。
  • メモリクロック数にはばらつきがあります。

    マザーボードの仕様上、メモリクロックを細かく指定できないためです。2133が選べはない場合は、2133より一段階上になるように設定してあります。

    ベースクロック 116.0の時のみ、メモリクロック2165と2320でデータを取ってあります。

    TPU(自動OC機能)の場合も、メモリクロックが2133より低くなっていたため、やはり2133以上になるよう手動調整しました。

  • グラフィックカードがDirectX10まで対応の製品のため、DirectX11以上を利用するテストはできません。
  • グラフィックカードのクロック数等はいじっていません。

グラボがGTS250のため3D系テストのスコアは低いです。FF(FINAL FANTASY)のベンチマーク結果がどんぐりの背比べ……。

FF(FINAL FANTASY)のベンチマーク結果には、グラボの性能とメモリのクロック数がかなり関係してきます。

今回、あえてメモリのクロック数を抑え気味にして測定しましたが、できればメモリも可能な範囲でOCしたいものです。(このPCのメモリの場合、2460MHzでも問題なく動作しました。それ以上チャレンジするのはやめておきましたが)

単にDRAM Frequencyを上げるだけでは、期待するような効果が得られないこともあったので、メモリに関係するその他の設定も見直さなければならないかもしれません。(ASUSマザーボードBIOSの場合、Ai Tweaker→DRAM Timing Control等)

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