BIOS飛んだ。ブートブロックまで飛んだ。

最終更新

2021/02/25
ASUS Z170 PRO GAMING ドライバダウンロードページのURLを更新しました。

BIOSのロールバックをしようと悪足掻き。

前回の記事の通り、マザーボード(ASUS Z170 PRO GAMING)のBIOSをバージョン1805にしてから、ダウングレードできなくなりました。
BIOSはAMI製です。

次のマザーボード付属のBIOS更新機能3つをつかってみたり……

  • UEFI BIOS画面からEZ Flash 3
  • WindowsにインストールしたASUSユーティリティのEZ update
  • BUPDATER.EXE v1.31 … ASUSマザーボードのサポートDVDに入っている。

UEFITool.exeでCAPファイルをROMファイル化してから、AFUDOS.exeやFPT.exe(Flash Programming Tool)等で更新を試みました。が、全て失敗しました。

Intel MEのFirmwareが11.0.10.xxxxにアップデートされているのに気付き、11.0.0.xxxxへダウングレードしたらどうなるか試したところ、これも拒否されました。BIOS保護機能に阻まれている模様。

  • BIOS v1206のIntel ME Firmware Version: 11.0.0.1168
  • BIOS v1805のIntel ME Firmware Version: 11.0.10.1002

おとなしく次のBIOSバージョンが出るのを待てばよかったのに、あれこれいじっている内にBIOSを飛ばしてしまいました。

[追記]
BIOS v1901、v1904、V2003もInte ME Firmware Version: 11.0.10.1002で、同じようにv1301や1206以前には戻せませんでした。(v1805~2003間なら変更可能)

なお、ソフトを用いてBIOSダウングレードする方法は見つけられませんでしたが、ROMライターを使えば可能です。(それについては次回書きます)

ASUS CrashFree BIOS 3 utility

(BIOS CHIPに記憶された)壊れたBIOSを正常なBIOSファイルで書き直す機能です。

このようなBIOS復旧機能は他社製マザーボードにもあります。マザーボードのマニュアルで確認を。(ただし、相当古かったりメーカー製PCのマザボでは、BIOS復旧機能が搭載されていないものもあります)

ASUSのマザーボードには、基板上にBIOS Flashbackボタンがある製品とない製品があります。

Flashbackボタンがある場合は、ユーザーがボタンを押すと、BIOSを(USBメモリに入れたBIOSファイルで)書き直すことができます。

Flashbackボタンがない場合は、任意のタイミングで行えません。壊れてブートできない場合に、自動的に復旧作業を開始します。BIOSが壊れていないと働きません。

Z170 PRO GAMINGは、後者のFlashbackボタンがないタイプです。

ASUS CrashFree BIOS 3 utilityの手順

  1. ASUS HPからダウンロードしたBIOSファイルと、FAT32でフォーマットしたUSBメモリを用意する。

    マザーボード付属のサポートDVDでも可。(出荷時のバージョンのBIOSファイルが含まれている)

  2. BIOSファイルの名前を変更してから、USBメモリに入れる。(サポートDVDの場合はここは不要)

    使うべきファイル名はマザーボードの型番ごとに決まっている。ASUS Z170 PRO GAMINGの場合は、「Z17PG.CAP」。

    ファイル名は、各マザーボードのマニュアルで確認する。

    FD44Editorで調べたり、BRenamer(BRenamerl)で自動的に適したファイル名に変更することも可能。(BRenamer.exeとBRenamerl.exeは、名前が違うだけで中身は同じ)

    FD44Editorの使い方

    https://github.com/LongSoft/FD44Editor/releases から、FD44Editor_0.9.2_win.zip(Windowsで作業する場合)をダウンロードし、展開。
    FD44Editor.exeを実行→使う予定のBIOSファイルを開く→Recovery Name欄を見る。

    FD44Editor画面のRecovery Name欄

    BRenamerlの使い方

    ASUS HPのドライバダウンロードページ (Z170 PRO GAMING) にアクセス→OS選択→BIOSユーティリティのBRenamerl.exeのダウンロードリンクからダウンロード→ZIPファイルを展開
    BRenamerl.exeが入っているフォルダーの中に、BIOSファイルを入れる。→BRenamerl.exeを実行する。

    (複数のBIOSファイルを入れた場合は、1つだけリネームされる)

    BRenamerl.exeの実行前と後

  3. PCの電源を入れる。
  4. USBメモリ(リネーム済のBIOSファイル入り)をUSBポートに差す。
    または、サポートDVDをDVDドライブにセット。
  5. 自動的に、デバイスをチェック→BIOSファイルを探す→読み込む→ASUS EZ Flash 3 utility画面になる。
  6. 更新が終わったら、BIOSを設定しなおす。
    F2Del、あるいはF1キーを押して、UEFI BIOS画面表示
    →まずF5キーでデフォルト設定にする。
    →設定をカスタマイズ
    F10キーで設定を保存して再起動。

※ 更新途中で電源を切ったり、リセットしないこと。

で、試しましたが、ダメでした。復旧機能自体が働きません。USBメモリもDVDも読み込まず、他のデバイスもシークしません。

BIOSのブートブロック(通常のBIOS更新では変更されない部分)も壊れているようです。AFUWINGUI.EXEのSetupタブでBoot Blockとかにチェック入れてたし。自業自得ですが、やれやれ。

BIOS復旧機能でもダメ。さてどうする?

  1. メーカーで修理してもらう。
  2. BIOS Chipの内容を全部書き換える。(Reprogram/Reflash)
  3. BIOS Chipそのものを交換する。(Replace)
  4. 同じ型のマザーボードをもう一枚用意して、BIOS ChipのHot Swap。[非推奨]
  5. 新しいマザーボードを購入

いずれも費用がかかります。気になるのは金額と、使えるようになるまでの日数です。

メーカーに修理に出す場合

修理期間はおそらく数週間。(早くても2週間位?)
たとえ保証期間内でも、BIOS更新失敗による修理はだいたい有料。

MSIマザーの場合は、BIOSの修理だけなら3000円(税込)+送料。これは安い方で、他のメーカーはもう少しかかるみたいです。

聞いた話ですが、ASUSマザーの有償修理(BIOS修理に限らず)では、5000円弱+(部品の交換が必要な場合)部品代+代理店までの送料とのこと。

安いマザーボードなら買い替えた方が手っ取り早いかもしれません。

修理が終わるまで待てないという場合
新たにマザーボードを購入して使用。戻ってきた修理品を予備パーツとしてとって置くとか、訳ありの中古品として売る手もあります。

まずは代理店に連絡し、だいたいでもいいので見積もってもらいましょう。製品の箱に代理店のシールが貼ってあります。いきなり故障品を送り付けるのは×。

箱をなくしてどこの代理店かわからなかったら、ASUSのHPのサポートに問い合わせれば(製品の型番やシリアル番号等を書き添えて)、どこの代理店に連絡すればいいか教えてくれるそうです。

メーラーで受信した海外からのメールの内容が文字化けして読めない場合
違うメーラーを使うか、自分のGmailアドレス等に転送してブラウザから見れば、文字化けが解消されることがあります。

BIOS Chipの内容を書き換える場合

BIOS更新ユーティリティ等を経由せず、道具を使って、ROM Chipに直接BIOSファイルを書き込みます。自分で道具を用意して行うか、ROM焼き業者に頼むことになります。

まずは、マザーボード上のBIOS Chipの形状と型番とBIOS Chipが取り外し可能か否かを調べます。

BIOS Chipがソケットに差さっているタイプは、取り外して作業できます。
マザーボードに直にはんだづけされているものは、簡単には外せません。外さずに作業する道具(テストクリップ)も用意するか、はんだを除去・付け直さなけばなりません。

必要な道具

  1. ROMライター
  2. PC (ROMライターのドライバとソフトが使用可能なマシン)

オプション

ケーブル付きのテストクリップ (ROMライターで使えるもの) … BIOS Chipがマザーボードから取り外せない場合のみ

MSIマザーボードは、JSPI1ピンヘッダを使って(BIOS Chipを取り外さずに)BIOSを書き換えることができるそうです。その場合、ROMライター + JSPI1に接続するアタッチメントが必要です。

1については、ROM ライターUSB SPI Programmer等をキーワードとしてネット検索すれば見つかります。価格は数百円~1万円超。マザーボードのBIOSチップとBIOSファイルサイズに対応しているものを探して購入します。(BIOSファイルサイズが小さいものしか扱えないものもあるので注意!)

なお、ROMライターはマザーボード専用ではなく、他のROM Chipにも使えます。

BIOS Chipを交換する場合

上記のBIOSの書き換えが面倒というなら、正常なBIOSが書き込まれたBIOS Chipを購入し、自分で交換する方法があります。購入可能なのはBIOSバージョンが最新のものということで、古いバージョンは選べません。

ただし、BIOS Chipを自分で取り外せない場合は無理です。

BIOS Chipがはんだ付けなしのソケットタイプなら、交換するのは簡単です。
しかし、はんだ付けされている場合は、自分ではんだを除去したり付け直さなければなりません。はんだコテ、はんだ吸い取り線か吸い取り器等の道具が必要になります。慣れないと焦がしてしまい、直すつもりがとどめを刺してしまう可能性もあります。

BIOS Chipの交換手順

  1. マザーボード上のBIOS Chipの形状と型番を調べる。
    重要: BIOS Chipが、自分で取り外し・付け直しができるタイプであること。
  2. 「BIOS Chip」とマザーボードの製品名、でネット検索。BIOS書き込み済のBIOS Chipを買えるところを探す。
  3. 適合するBIOS Chipを購入する。
  4. 通電していないマザーボード(電源コード・ボタン電池も外す)から、元のBIOS Chipを取り外し、購入したBIOS Chipを取り付ける。

BIOS Chip購入時の注意

購入できるところは、だいたいebay等の海外のサイトであり、海外からの発送になります。注文しても到着まで日数がかかります。未着・延着等が起きたら英語で交渉しなければなりません。決済方法にも注意が必要です。

マザーボードメーカーの公式ショップから購入できるといいんですけどね。

Hot SwapによるBIOS Flashの場合

BIOS動作中の同型マザーボードのBIOS Chipと交換し、BIOS書き直しをする方法です。

注意!
危険を伴います。通電状態で行うため、差すピンを間違えるなどしてショートさせてしまうと、マザーボードを壊してしまいます。

もう1枚、同じ型番の正常動作するマザーボードが必要で、BIOS Chipがはんだ付けされている場合は取り外しが面倒です。

しかも、BIOS書き換え自体は成功しても、BIOSが起動できるようになるとは限りません。失敗すれば最悪修理不能になります。お勧めはしません。

私の選択 ― ROMライターでBIOS Chipの内容を書き換える。

ROMライターを購入し、ROM Chipの内容を書き直すことにしました。BIOS Chipがソケットにはまっているだけのタイプで取り外し可能でしたし、自分でやれば何度でもやり直しがきくので。

単にBIOSファイルを書き込んでもらうだけなら、ROM焼き業者に頼むのもいいと思います。

しかし、調べていくうちに、ASUSマザーボードのUEFI対応BIOSはプロテクトが……という話を見つけまして。ASUSのHPからダウンロードしたBIOSファイルをそのまま書き込んでも動かない可能性がありました。(他のマザーボードメーカーについては、だいたいそのまま書き込んでOKらしいです。一応、事前に情報収集することをお勧めします)

その後、3回Flashしてようやく復旧できました。その話は次回にて。→ LGA1151 ASUSマザーボードBIOS復旧 1/2 ROM焼き

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